障がい者雇用の定着率を高める「伴走型サポート」とは【Colorful Assist Blog】

障がい者雇用は、採用までは進んでも「定着しない」という課題があります。
厚生労働省のデータによると、雇用後1年以内の離職率は約4割。これは一般雇用と比べても高い数字です。
障がい者雇用が定着しにくい主な理由は次の通りです。
| 業務ミスマッチ | 業務が難しすぎる、または簡単すぎてやりがいを感じられない。 |
| 職場環境や人間関係への不安 | 「理解してもらえないのでは」という心理的負担。 |
| 健康・体調管理の難しさ | 特に精神障がいの場合、体調の波が業務に影響しやすい。 |
| 上司や同僚の理解不足 | 配慮が不足し、孤立感を感じるケースも。 |

障害といっても、身体障害・精神障害・発達障害・知的障害など多様です。
それぞれに適した働き方やサポートが異なるため、「一律の対応」では定着は難しいのです。
伴走型サポートという解決策
こうした課題に対して、近年注目されているのが「伴走型サポート」です。
これは、採用後に“放置しない”ことを前提に、企業と本人の間にサポート役を設け、継続的に支援する仕組みです。

この仕組みは、障がい者雇用の定着率を高めるだけでなく、企業の業務効率化にもつながります。
多様性を尊重する企業文化を育むためにも、この仕組みは「障がい者雇用の新しいスタンダード」になると考えており、アストンでもこの方向性を目指し、体制づくりを進めています。
具体例(アストンの場合)
- 出勤時に「体調・気分チェック」を実施。体調や気分を簡単に確認し、無理のない業務調整を行う。
- サテライトオフィスにはディレクターが常駐し、困ったときにすぐ相談できる環境を整備する。
- IT機器管理、アカウント管理、簡単なヘルプデスク対応など、IT初心者でも取り組める業務を設計する。
- 専門的な対応はアストンの技術者がバックアップするため、本人に過度な負担がかかりません。
伴走型サポートが必要とされる背景
なぜ今、このようなサポートが必要とされるのでしょうか?
その背景には、法制度の変化と企業の課題があります。
法定雇用率の引き上げ
企業には障がい者雇用の法定雇用率が義務付けられており、近年この雇用率は段階的に引き上げられ、採用数を増やす必要があります。
例えば、従業員100名規模の企業では、障がい者雇用義務は2名から3名へ増加するケースもあります。
現在は採用数を増やすだけでなく、定着を重視する時代になっています。
出典:厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について(PDF)」
採用コストの増加
採用した人材が定着できない場合、離職率が上がり、再採用にかかるコストが膨らみます。
採用→離職→再採用の繰り返しは、企業にとって大きな負担です。
この採用コストには、求人広告費や採用担当者の工数だけでなく、面接・選考・研修にかかる時間と費用も含まれます。
離職によって業務が滞ることで、現場の生産性にも影響します。
つまり、「採用数を増やすだけでは不十分。定着率を高めることが、企業のコスト削減に直結する」ということです。
DX推進によるIT業務の需要増
近年、企業ではDX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進んでいます。
その背景には、市場競争力の強化、業務効率化、顧客体験の向上、セキュリティ対策といった要因があります。
紙や手作業からデジタルへの移行は、生産性を高めるだけでなく、企業の存続に直結する課題です。
この流れに伴い、社内IT環境の整備やセキュリティ対応など、IT業務は増加傾向にあります。
しかし、IT部門の人材不足は深刻です。
そこで、「伴走型サポート」を活用すれば、障がい者雇用とIT業務の両方を解決できるという新しい選択肢が生まれます。
企業にとってのメリット
伴走型サポートを導入することで、企業には次のようなメリットが期待できます。
法定雇用率の引き上げに対応しやすい
採用後の定着率を高めることで、再採用にかかるコストを防止できます。
IT業務の安定運用と効率化
情シス業務の定型化により、社内のIT環境が整備され、担当者の負担も軽減。
CSR・SDGsへの貢献と企業価値向上
障がい者雇用の成功事例を積み重ねることで、企業価値が向上し、採用広報やIR資料でも強いアピールポイントになります。
※アストンも、この仕組みを活用した障がい者雇用モデルの構築を目指しています。
詳しくは過去記事をご覧ください。→ 過去記事はこちら
Colorful Assist Blogの発信について
アストンでは、障がい者雇用支援の取り組みを【Colorful Assist Blog】にて継続的に発信していきます。
誰もが安心して働ける社会の実現に向けて、IT業務を通じた新しいキャリアの可能性を広げていきます。
ぜひ、今後の発信にご期待ください。
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