障がい者雇用の現状と課題 – なぜ新しい取り組みが必要なのか【Colorful Assist Blog】

法定雇用率の達成が進む今、次のフェーズは「働く人の可能性を最大化し、企業の戦力として活躍できる雇用」の実現です。
株式会社アストンは、障がいのある方がITスキルを身につけ、安心して活躍できる新しい雇用モデルの活動を通じて、社会貢献と企業価値向上を目指しています。
Vol.1ではCATの発足と事業採択、Vol.2では特許申請と「人・環境・業務」の3つの柱をご紹介しました。
【Vol.1】障がい者雇用支援の新しい挑戦 – CAT発足と新事業進出補助金採択
【Vol.2】特許申請しました!新しい障がい者雇用支援の取り組み
本記事Vol.3では、この新しい取り組みがなぜ今必要とされているのか、障がい者雇用の「現状データ」と「本質的な課題」を踏まえて解説します
障がい者雇用の「現状データ」:数字の裏にある企業の悩み
日本の障がい者雇用は、法定雇用率の引き上げ(2024年には2.5%に)と企業の意識向上により、雇用者数と実雇用率は着実に増加しています。
雇用者数は過去最高を更新
厚生労働省の集計によると、民間企業における障がい者の実雇用率は年々上昇傾向にあります。
民間企業の実雇用率(例:2024年): 2.33%
出典:厚生労働省「令和6年 障害者雇用状況の集計結果」
雇用されている障がい者の数(例:2024年): 64万217人(20年連続で過去最高を更新)


企業側が抱える「仕事の設計」と「定着」の難しさ
しかし、雇用が進む一方で、受け入れる企業側では依然として深刻な課題が残っています。
公的な調査や企業のヒアリング結果では、多くの企業が以下の課題を上位に挙げています。.
「適した業務の切り出しや創出が難しい」
「職場でのコミュニケーションや人間関係が難しい」
「定着、戦力化が難しい」

この「仕事設計の難しさ」こそが、企業にとっては戦力化の停滞に、働く人にとってはキャリア形成の障害に繋がっています。
障がいのある方の「キャリアの壁」:能力が活かせない現状
企業側の「業務設計の難しさ」は、働く側にとっての深刻な「キャリアの壁」となります。
① 単純作業に偏りがちな雇用:スキルが蓄積されない
企業が業務の切り出しに苦慮した結果、障がいのある方に任されるのは、将来的なスキルアップに繋がりにくい「定型的・補助的な単純作業」に偏りがちです。
| 例 | データ入力、清掃、軽作業など、マニュアル化された業務が多い。 |
| 課題 | 専門性やITスキルが蓄積されにくく、昇進・昇格の機会が少なくなる。 |
② スキルアップと自信の機会の不足:意欲と能力を活かせない
単純作業に留まることは、「自分は補助的な業務しかできない」という自己認識に繋がりやすく、本来持っている能力や意欲を十分に活かす機会を失います。
結果として、「スキルと自信を育む」という前向きなサイクルが生まれにくくなるのです。
この現状こそが、「数」の雇用は増えても、「質」の雇用が追いつかないという、日本の障がい者雇用の本質的な課題です。
アストンの解決策:IT業務で「キャリア形成」と「企業価値向上」を両立
アストンが提供する障がい者雇用支援の取り組みは、上記の二つの課題、すなわち「単純作業への偏り」と「キャリアの壁」を打破するために設計されています。
解決の鍵:IT業務でのスキル習得
私たちは、企業の「社内ITサポート業務」(情シス部門のサポート)に着目しました。
この分野は、障がいのある方の特性を活かしつつ、市場で評価されるITスキルを習得することができます。
| 効果 | 企業へのメリット(戦力化) | 働く方へのメリット(キャリア形成) |
|---|---|---|
| 業務特性 | IT基盤維持に必要な定型的かつ専門性の高い業務。 | 集中力・正確性を活かしつつ、汎用的なITスキルが習得できる |
| 効果 | IT人材不足の部門に質の高い労働力を確保し、生産性が向上する。 | 単なる補助業務でなく、確かなスキルと実績を積み重ねることで、キャリアの可能性が広がる。 |
障がいのある方が、単なる補助業務ではなく、専門性のあるIT業務に携わることで、確かなスキルと実績を積み重ね、「ITのプロフェッショナル」として将来的なキャリア形成の可能性を大きく広げます。
企業と働く方の「価値の循環」:持続的な成長へ
この取り組みは、働く方がスキルを習得し自信を高めることで、企業にとってなくてはならない「戦力」となり、結果として企業のIT基盤を支え、経営を助けるという、持続的な価値の循環を生み出します。
| 企業 | IT人材不足解消とダイバーシティ推進の実現 |
| 働く方 | スキル習得と自己成長の実現 |
アストンは、この新しい支援を通じて、「誰もが安心して働き、社会に貢献できる」未来を実現してまいります。
Colorful Assist Blogの発信について
アストンでは、障がい者雇用支援の取り組みを【Colorful Assist Blog】にて継続的に発信していきます。
誰もが安心して働ける社会の実現に向けて、IT業務を通じた新しいキャリアの可能性を広げていきます。
ぜひ、今後の発信にご期待ください。